犬を飼っている方なら、犬の知能の高さを、よく実感しているかと思います。
昔、人間と犬の関係は、共に利益の有る、『相利共生』関係でした。
犬の持つ集団生活をする性質と、指示を理解できる知能の高さで、関係が築けたのでしょう。
そのくらい、犬って頭が良いんです。
あなたは怒られている時の、犬の表情って見た事ありますか?
頭を低くして、上目遣いで見上げて来るあの顔です。
あの顔は反則ですよね。
ついつい笑って、甘やかしてしまいそうになってしまいます。
多頭飼いしている方なら、叱られていない方の犬の表情も良く知っている事でしょう。
あの、何とも言えない表情は本当に、人間の小さな子を見ているようです。
実際に、犬の知能は人間の3歳くらい有るとされています。
そしてボーダーコリーは、そんな賢い犬の中でも一番賢いと言われているのです。
それでは、ボーダーコリーは何歳くらいの知能を持っているのでしょうか。
詳しく見てみましょう。
ボーダーコリーの知能指数
犬の知能は、もちろん個体で差は有りますが、大きくは犬種によって賢さが違います。
カナダのスタンレー・コリー博士は、犬の知能の研究をしており、実験で知能を測りました。
博士は以下の3つのテストで、犬種別の犬の知能指数を測定したのです。
- 本能や直感
- 自分で考え解決する能力
- 指示に従う能力
この研究結果で、一番知能が高いとされたのが、ボーダーコリーです。
賢くないと務まらないとされている『牧羊犬』がルーツなので、当然でしょうか。
特に『指示の理解度』や『初めての指示の理解の有無』では優れた結果を残したのです。
また、理解力だけでなく、五感を使った情報収集能力も優れています。
ボーダーコリーは、正に賢い犬種なのです。
ボーダーコリーと人間の脳の違い
一般に、犬の言語理解能力は、人間の2~3歳程度と言われています。
しかし、ボーダーコリーは、7歳程度の言語理解能力があると言われているのです。
更に言語理解だけでなく、言い方や、表情などから気持ちまで汲み取ります。
犬は本当に人間にとって、素晴らしいパートナーですね。
それでは、犬と人間とでは、脳の構造はどこか違うのでしょうか?
基本的には、能の構造は人間と犬では、ほぼ同じであると言われています。
違うところは、脳の大脳皮質と呼ばれる部分です。
脳の中でも、大脳皮質は理性を司る部分になります。
人間は、この大脳皮質が発達しているため、状況によって気持ちを抑えることができます。
しかし、犬の大脳皮質はそれほど発達していません。
そのため、高い知能を持っているボーダーコリーでも、善悪の判断は苦手なのです。
ですので、徹底的に訓練で、教え込まないといけないのですね。
知能の高い犬は反省をする?
犬は叱られていると、本当に『申し訳ないな〜』って顔をしますよね。
可愛すぎて、ついつい許してしまいたくなっている、愛犬家の方も多いかもしれません。
でも、犬って反省はしないんですよね。
そもそも、善悪の判断ができていないので、反省のしようがないのです。
もちろん、叱られているって事は理解しています。
ですので、神妙な顔をして、飼い主の機嫌が直るようにやり過ごしているのです。
やり過ごしているだけなので、何が悪かったかなんては考えていません。
知能が高いボーダーコリーも、そこは同じです。
知能が高いだけに、こうすればやり過ごせるなんて覚えてしまったら最悪です。
都合の悪い事は聞き流して、やりたいようにやっちゃう犬に育ってしまう可能性も…
知能が高い分だけ、飼い主のしつけの腕前が求められるのですね。
知能が高くて困ること
ボーダーコリーの知能が高い事は、分かっていただけたかと思います。
しかし、知能が高い事で困る事が、ボーダーコリーにはあるのです。
前段で、善悪の判断が苦手であると書きました。
ボーダーコリーは知能が高いゆえに、悪い事も自分で覚えてしまうのです。
例えば、飼い主が居ない時を見計らってイタズラをしたり…
イタズラは困っちゃいますね。
しかも、イタズラ隠しにも知恵が回るから、参ってしまいます。
そして、知能が高い事は、自己主張にも現れてきます。
意思表示が上手い事は良い事なんですが、主張が強すぎるのも困るものです。
例えば、散歩に行くか、行かないか。
YES、NOだけではありません、あの人と行きたい。
この人とは行きたくない。
なんて、わがままが出てきたりするんです。
犬は人の事をキチンと見抜いてしまうので、下手をすると飼い主が下に見られてしまいます。
特にボーダーコリーのように賢い犬は、その行動が大きく出るのです。
しつけに不慣れな人は、ボーダーコリーを飼うのは至難の業と言われるほど。
知能が高いと、飼い主の技能も高いものが求められるのですね。
まとめ
- ボーダーコリーは知能だけでなく、五感での情報収集もすごい
- ボーダーコリーの知能は人間の7歳程度、知能は高くても善悪の判断は苦手
- 反省はしないので、しつけの技術が大事
- 知能が高い分、悪い事も覚えてしまう
ボーダーコリーは、犬の中で一番賢い犬種です。
しかしその分、ボスとして認められるのも、ハードルが高くなってしまうのですね。
しつけができていないと、飼い主もボーダーコリーも不幸な結果になってしまいます。
愛すべきやんちゃ坊主、お転婆娘には、ストレス無く幸せになって欲しいものです。
幸せにできるのは、飼い主の『あなた』だけ。
どうか、しつけをしっかり行って、飼い主もボーダーコリーも幸せに暮らしてください。