シェパードと言えばピンと立つ耳と力強さを感じる佇まいや、警察犬として活躍するイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?
カッコよさを感じずにはいられないシェパードですが、最近は耳が立たないシェパードも見られていて、悩んだり心配している飼い主さんが多いそうです。
そこで今回はシェパードの耳が立たない理由やその対処法について書いていきたいと思います。
私は生まれてから35年間、犬と生活をしていなかった期間が2年半ほどしかなく、人生のほとんどの時間を愛犬と共に過ごしてきました。
今まで雑種のワンコを2匹、フラットコーテットレトリバー、ポメラニアンと4匹のワンコたちと生活をした経験があります。
犬種へのこだわりは全くないのですが、最近は様々な犬種の特徴にとても興味を抱いて勉強している所なので、今回の記事がシェパードを飼おうと考えている方や飼っている方はもちろん、犬と関わる機会がある方に読んでいただけると嬉しいです!
シェパードの耳の特徴
ピンと立つ凛々しい耳が印象的なシェパードですが、大きく分けて次の3つの特徴があります。
立ち耳
シェパードと言ったら1番最初にイメージするのがこの立ち耳ではないでしょうか?
実はシェパードの耳は生まれた時から立ち耳なわけではなく、生後すぐは垂れ耳なんです。
成長と共に立ち耳に変化していくのが大きな特徴の一つと言えます。
三角形の形状
シェパードの耳は三角形の形状に加えて、先が尖っていたり頭に対して少し傾斜があるのが特徴です。
耳介の大きさや耳の位置
シェパードの耳介は比較的大きく、また高い位置についており、頭部に対してバランスが取れています。
シェパードの耳はいつ頃から立つの?
シェパードの耳は生まれた時は垂れ耳であると前述しましたが、ではいつ頃からあのカッコいい立ち耳になるのか…???
垂れ耳シェパードもとても可愛いですが、気になるところですよね。
シェパードの耳は生後数週間から数か月の間に立ち始めると言われています。
一般的には3か月ごろから耳が立ち始める事が多いようです。
ただし、耳が立つまでに1年かかる子もいますし、中には耳が立たないまま成犬になる事もあり、成長過程での耳の立ち方は個体差は大きいとされています。
人間の子どもも、その子によって成長のスピードは違いますしどう育っていくかも一人一人違いますよね。
個人的には【耳が立つも立たないもその子の個性として見守っていく】のもひとつの関わり方なのかな?と思います^^
シェパードの耳が立たない理由
とは言え、何かしら原因があって耳が立たないのであればそれは不安になりますし、その原因を取り除いてあげたいですよね。
シェパードの耳が立たない理由としては以下の4つが挙げられます。
遺伝的要因
耳の立ち方は遺伝的な要素が多く影響します。親犬の耳が立っていない場合、子犬も立ちにくい傾向があります。
栄養不足
適切な栄養が不足していると、骨や筋肉の成長が遅れ耳が立ちにくくなる事があります。
バランスの取れた食事を与える事が大切です。
耳の形状
耳の形状が立ちにくい形の場合、立ち耳になりにくい事があります。
環境
ストレスや環境の変化が耳の立ち方に影響を与える事があります。
また、物的環境にも注目してみると良いでしょう。
例えばゲージの大きさはワンちゃんに合っているでしょうか?
耳が触れてしまう大きさである場合、耳の立ち方にも影響が出る可能性もあるようです。
もしかしたら上記のどれかが耳が立たない一因となっている事があるかもしれないですし、飼育上の問題ではなく生まれてつきかもしれません。
ですがシェパードの耳が立たないこと自体は健康上に問題があるというわけではないと言われています。
もちろん気になる場合は獣医師に相談する事も一つですが、過度に不安を感じなくて大丈夫ですよ^^
また、シェパードには訓練系統と呼ばれる訓練犬と展覧会・ショータイプと呼ばれる展覧会犬の2つのタイプがあります。
訓練犬の子犬は比較的、早い時期に耳が立ちやすく展覧会犬の子犬は立ちにくい子が多いと言われています。
シェパードの耳が立たない事のデメリット
シェパードの耳が立たないからといって体のどこかが悪いというわけではありません。
では、垂れ耳でいる事で何か困ってしまう場面はないのか???
こちらの疑問についてお答えしていきたいと思います。
耳の通気性が悪くなる。
見た目でわかる通り、垂れ耳でいると立ち耳と比較して通気性が悪くなりやすいです。
通気性が悪くなるとどうなるかというと・・・
湿気や汚れが溜まりやすくなる
⇩
耳の中で細菌や真菌が繁殖しやすくなる
⇩
耳炎のリスクが高まる。
といったようにほっておくと炎症を引き起こす事もあるので、こまめなケアをしてあげると良いと思います。
垂れ耳のシェパードの飼い主さんに限らず、犬を飼っている方みなさんに共通して言える事かなと思います。
耳垢の排出が難しくなる。
耳が立っていないと、自然な形で耳垢が排出されにくくなります。
耳垢が溜まると、耳の中が汚れやすくなり上記と同様に炎症を引き起こす可能性があると言われています。
我が家はポメラニアンを飼っていたのですが、立ち耳だったにも関わらず耳垢が溜まりやすかった為、よく病院に相談していました。
「垂れ耳さんだと耳垢の排出がしにくい…というのは耳の形状で仕方ないのかな?」
と思いますが、我が家のポメラニアンを例に挙げると、立ち耳だからと言って必ずしも
「この問題を防げるのか?」
と聞かれると一概には言えないのかな~?とも思います。
かかりつけの獣医さん曰く【体質】との事でした。
必要に応じて処方された薬を使ったり、濡らしたガーゼで耳をきれいに拭いたりといったケアをこまめにしていましたね。
聴力に影響を与える可能性がある。
耳が立っていない状態でも、通常は聴力に大きな問題はありません。
しかし稀に聴力に影響を及ぼす可能性があるとも言われています。
デメリットとしていくつか挙げましたが、ほとんどは日々の関わりで予防できるものです。
立ち耳・垂れ耳関係なく、定期的に獣医師の診察を受けたり、耳の清潔を保てるようにケアをしていく事が大切なんだと思います^^
犬を飼われた経験がある方は共感して頂けるかと思いますが、犬を飼うって可愛がってご飯をあげて散歩に連れていって…という単純なものではないんですよね。
ワンちゃんが健康で穏やかに過ごせるように飼い主である私たちがよく姿を観察する必要があります。
犬種問わず、ワンちゃんを家族として迎え入れる前に、一度その子の特徴や飼い方の基本的な知識をしっかりと学んでいけると、お互いに安心して生活できるのではないかと思います♪
シェパードの耳の立たせ方
ここまでシェパードの耳の特徴や、立ち耳にならない理由、デメリットについてお話してきました。
垂れ耳さんを個性として受け入れる事も大切だと思いますが、どうにかして立ち耳にしてあげたいと感じる方も中にはいらっしゃるのではないかと思います。
ここでは耳の立たせ方について紹介していきます。
耳の立たせ方の代表的なものとして以下の3つが挙げられます。
マッサージ
耳の付け根から先端に向かって優しくマッサージをする事で耳の筋肉を刺激します。
犬に不快感を与える可能性がありますので、力の入れ方やタイミングなどは十分気を付けて行ってくださいね。
テーピング
専用の耳立てテープを使う方法です。
【専用の耳立てテープ】というのがあるのは、長年犬を飼っていながら全く知らなかったのですが、ネットで検索すると様々な商品が出てきて驚きました!
多くの商品が作られているという事は、それだけ愛犬の耳について
「改善してあげたい!」
と思う方が多くいるのでしょうね。
正しい使い方でワンちゃんの負担にならないようにしてあげましょう。
骨折り療法
骨折り療法とは、耳を立たせるために、定期的に耳を折り曲げておく方法です。
これを行う事によって耳の筋肉が鍛えられて耳が立つ可能性があります。
※ 注意点 ※
これらの方法は犬の年齢や個体差によって適している物・適さない物があります。
必ずしも成功するとは限らないという事を踏まえた上で検討してみて下さい。
また、リスクを伴う可能性がありますので飼い主さんの独断で
「何となくやってみた」
という事だけは避けましょう。
相手は犬ですのでもちろん言葉は話せませんが、私たちと同じように心を持った生き物です。
誤った関わりをしてしまう事で、ストレスや不快感を与えたり、危険な思いをさせてしまったりする事があります。
今回ご紹介した耳の立たせ方については、まずかかりつけの獣医さんに相談してから行うようにしましょう。
そして、何のために耳を立たせてあげたいのか?
総合的に考えた時に耳を立たせる事がその子の為になるのかどうか?をゆっくり考えてみる事もオススメします。
シェパードの耳の清潔管理
「耳を立たせる事も検討しているけど、今回は見送ってみよう」
「垂れ耳のままでもいいけど耳炎が心配」
そんな方も中にはいらっしゃると思います。
立ち耳・垂れ耳問わず、愛犬の耳の清潔を保つ事も私たち飼い主の大事な役目なので、ここでは耳の清潔管理についてお話します。
こまめな掃除
週に1回程度、専用のイヤークリーナーを使って耳の中を掃除します。
余計に荒れてしまったり、嫌がったりする事もあるので獣医さんが推奨するものを選ぶと安心です。
注意深い観察
耳の異常を早い段階で見つけてあげられるよう、こまめに耳を観察しましょう。
こんな時は獣医さんに要相談!
- 赤みや腫れ
- 異臭
- 耳垢の増加
また、耳を観察してもなかなか異変に気付けない事もあるかと思います。
そんな時は犬の仕草にも注目すると良いです。
例えば我が家のポメラニアンは耳垢が溜まり炎症を起こしていた頃、自分の手を舐めて湿らせては耳をかいていました。
数回程度ではさほど気にならなかったのですが、回数が著しく増え受診した覚えがあります。
症状に合った薬であれば、すぐに不快感を取り除いてあげられるので、飼い主さん自身でワンちゃんの耳を観察していきながら、ワンちゃんの仕草や行動にも注目していきましょう。
水の管理
水の管理と言っても、1日に飲む水の量…ではありません。
シャンプーの時に注意して頂きたいのが耳の中に水が入らないようにする事。
水が入ってしまうと湿気がこもりやすく耳炎の原因になるので、ご自身でシャワーやシャンプーをする際には耳の中に水が入らないよう特に気を付けて行いましょう。
耳の乾燥
湿気が耳炎の原因となると前述しましたが、耳の清潔を保つにはしっかりと乾燥させてあげる事が重要です。
イヤークリーナーで耳をきれいにした後はしっかりと乾かしましょう。
耳の周りを乾いたガーゼで拭き取り、水分を取り除きます。
せっかく汚れをとっても、湿ったままにして炎症を起こしてしまっては本末転倒。
耳のお掃除と乾燥はSETにすると清潔が保てます。
耳の内部はデリケートな部位もありますので、知識のないままやみくもに触れる事はせず獣医さんに相談しながら適切な方法で行う事が大切です。
https://youtu.be/dQDWGjWDGdo?si=V3jf1f8jJ1_nu2LY
シェパードの耳掃除を実際に行っている動画を見つけましたので紹介させてください♪
清潔管理を行いながら、愛犬との大事なコミュニケーションの時間にもなりますね。
まとめ
シェパード犬の耳が立たない理由と対処法についてのまとめです★
- シェパードの耳は生まれつき立ち耳なわけではない!
- 一般的には生後3か月ごろから耳が立ち始めるが、個体差が大きい。
- シェパードの耳は立たない理由はいくつかあるが健康上に問題があるわけではない。
- 垂れ耳である事で耳炎等のトラブルになる事もあるがこまめなケアで予防は可能!
- 立ち耳にする為の方法を試す時には獣医師に相談をする
- 垂れ耳・立ち耳問わず、耳の清潔管理はこまめに行う。
シェパードを中心にお話をしてきましたが、犬種問わず飼ってみて初めて出会う疑問や不安というものはどなたにも必ずあると思います。
毎日一緒に過ごす家族であっても、言葉のキャッチボールが叶わない以上、愛犬の気持ちを全て理解する事は残念ながら難しいです。
なので、疑問や不安にぶつかった時には自己流で解決しようとせず、かかりつけの獣医さんに相談しワンちゃんにとって1番良いケアをしてあげられると良いですよね。
立ち耳・垂れ耳どちらであっても飼い主さんの愛情をたっぷり感じて安心してのびのびと過ごせる事が、ワンちゃんにとっての幸せなのではないでしょうか?
双方の良い面とそうでない面を踏まえた上で今後のワンちゃんとの関わりに少しでもお役に立てると嬉しいです。