日本の犬種のひとつである土佐犬。
闘犬とも知られていて、“まわし”をつけているイメージですよね。
大型犬で体格も良く力が強いので、
「飼うには大変そう…」
と思いますよね。
そうなんです、大変なんです!
だから飼う前に知ってもらいたことがあるのです。
土佐犬に興味がある方、飼うことを検討している方へ、土佐犬に関する事件から“飼い主の心得”を紹介したいと思います。
ぜひ、知った上で飼うことを検討してほしいです。
土佐犬ってどんな犬?
まず、土佐犬の特徴について知っておきましょう。
外見や性格を紹介します!
外見の特徴
大型犬に属する土佐犬。
体重は36~100㎏と個体差がありますが、平均して80~90㎏ほどになります。
体の皮が弛んでいますが、外部からの衝撃を緩和する役割を持っています。
また、筋肉質で骨も太く、嚙む力も強いです。
闘犬として品種改良された犬種なので、優れた体をしているわけです。
性格
温厚で従順
体格が大きく、怖い顔つきなので狂暴そうに見えますが、しっかりと躾ければ飼い主に従順で人懐っこい一面も見せます。
闘争心が強い
本能的に気性の荒さを秘めているので、一旦興奮状態になってしまうと飼い主でも手をつけられない状態になる可能性もあります。
縄張り意識が強い
縄張り意識が強いため、知らない人や他の犬に対して好戦的になります。
やはり、闘犬のイメージとおり、“強い”“怖い”という印象になってしまう性格なのかもしれません。
でも躾をきちんとすれば飼い主に従順なので、生活上のルールは守れるのではないでしょうか。
土佐犬に関する事件
知らない人や他の犬に強い警戒心を抱く性格の土佐犬なので、人や犬を襲ってしまうという悲しい事件が発生しています。
事件1
2014年2月に北海道での事件です。
海岸で女性が土佐犬に襲われて溺死。
飼い主は救護もせずその場から逃走したため、重過失致死容疑で逮捕されました。
飼い主は土佐犬を2匹飼育していましたが、半年ほど散歩に行かず、犬がストレスを抱えている状態で散歩に出たときに事件が起きてしまいました。
“土佐犬の狂暴性”を認識しているにも関わらず、2匹同時に散歩をしていて尚且つ、周囲を確認していなかったのだそうです。
事件2
2019年5月、兵庫県で事件が起きました。
80代の男性が土佐犬の世話をしている最中に襲われて亡くなりました。
男性は飼い主ですが、孫が飼っている土佐犬3匹と知人から預かった1匹、合計4匹の世話をしていたそうです。
4匹それぞれ一つずつ檻に入れて飼育をされていましたが、市へ土佐犬を飼っているという届け出はしていなかったそうです。
事件3
2023年7月、神奈川県での事件です。
80代男性の飼い主が土佐犬を散歩させていたところ、ミニチュアダックスフントを抱いて散歩させていた女性を襲いました。
女性は全治2週間のケガ、抱いていたダックスフントはお尻を噛まれて死んでしまいました。
被害者の証言に寄ると、後ろから歩いてくる土佐犬を連れた男性に近づきすぎないよう警告をしていたようです。
しかし男性はリードを離してしまい、土佐犬は飛び掛かってしまいました。
事件直後も悪びれることもなく、
「騒ぐからだ」
と、責任逃れをしていたそうです。
事件を3つ紹介しましたが、他にも数多くの事件があります。
それらの事件から読み取れることは、“犬が怖い”ということではなく、飼い主の認識や行動、飼育の仕方に問題があったというケースが多いことです。
それでは、飼い主になるためにはどういうことに気を付けたら良いでしょうか?
土佐犬の飼い主になるための飼育注意点
地域によっては、飼育方法にルールや標識の掲示の義務が発生する“特定犬”に定められている土佐犬。
それだけ、飼育には気を付けなければならないということなのです。
犬の基本的な飼育方法は省略して、土佐犬の飼育注意点を紹介します。
厳格な躾
虐待のような躾という意味ではなく、飼い主と犬との主従関係を明確にすることです。
なので、犬を甘やかせて可愛がりたい人には不向きな犬種で、犬との絆を強くしたいという人にはぴったりだと思います。
飼い主の指示を理解できるようになれば、問題が起きそうな場面でも制御することができます。
それに、飼い主に対して信頼をおいてくれるので、家族として可愛い一面も見せてくれるはずです。
囲いの設置
来客や野生の動物などに警戒したり、家族に対しても本能的に興奮してケガさせたりする恐れがあるので、基本的には屋外で囲いがあるところで飼育が望まれます。
※地域によっては、“特定犬”として規制されています。
犬舎があれば尚良いですね。
1日2回の散歩
土佐犬は運動量を必要とする犬種です。
1回の散歩は60分ほどが望ましいとされています。
運動量が足りないとストレスが溜まり、問題行動につながることがあります。
また、散歩は特に人や他の犬と触れやすいので注意が必要です。
- リードをしっかり持つ(できれば首輪とハーネスのダブルリードが望ましい)
- 周りをよく見て歩く(よそ見をしない)
- 人や他の犬とは一定の距離を保つ
- 力の弱い人(子供・年配の方)に散歩をさせない
- 多頭での散歩はしない
うまくコントロールできない犬の場合は、散歩するときに咬傷(こうしょう)事故防止に口輪が必要です。
土佐犬を飼うという覚悟
注意点で一番大事なことだと感じます。
土佐犬とはどんな犬種か、どんな飼育が必要か、起こり得るトラブルはなにか理解したう上で飼った方がよいです。
土佐犬は闘犬です。
力で相手を押さえつけようとすることは、本能的に備わっています。
躾をしていても、恐怖を感じたり興奮状態になったときに、本能的に身を守る行動をします。
軽い気持ちで飼ったりせず、飼い主となる責任を意識して土佐犬を迎え入れてほしいです。
まとめ
- 躾によって主従関係を守り、強い絆をつくる
- 正しい飼育方法やマナーを知る
- 飼い主としての責任を持つ
以上飼い主の心得を紹介しました。
土佐犬の初心者向きの犬種ではないため、ただ可愛がるだけではダメなんです。
「囲いに入れて飼育するのは可哀そう」
「散歩するのに口輪をさせたくない」
と思う方は、そもそも飼わない方が良いと思います。
成長期にトレーニングすれば、家族にも懐くし、社会性も身について人や他の犬に吠えることも少なくなるそうです。
でも、犬の本来の性質で問題を起こしてしまう可能性もゼロではないため、囲いや噛まないための道具が必要です。
安易に飼うことはせず、危険性も認知した上で、飼うことを検討してほしいです。
そして土佐犬も家族も、周りの人・他の犬も幸せに暮らすことができればよいですね。
少しでも参考になればうれしいです!