土佐犬といえば四国、高知県。
土佐犬は日本の誇りであり、風土と歴史が息づいています。
みなさんは土佐犬のことを知っていますか?
とても勇敢で愛らしい犬種です。
怖いなんて思った方は、これを読んだ後には土佐犬について少し違った見方ができるかもしれません。
そんな地元、高知県ですが皆さんは高知県というと他に何を思い浮かべますか?
【カツオ】【坂本龍馬】【桂浜】…。
カツオのたたきはおいしいですし、坂本龍馬の像も見ておきたいですし、桂浜も絶景ですよね!
高知県の魅力は色々あります。
今回は土佐犬という独特の魅力を持った犬種の歴史について知ることと、地元の宝物とお土産を見つける旅を楽しむ方法をご紹介します。
土佐犬が生まれたルーツを紐解きながら、一緒に高知の旅を覗いてみましょう!
土佐犬のルーツと魅力
土佐犬は高知の“天然記念物”に指定されている犬種です。
一方で日本の一部地域では“危険犬種”として指定されており、海外では規制されている国もあります。
相反するような関係ですが、それは土佐犬が闘犬として生み出された歴史に大きく関係しています。
土佐犬の起源や特徴に迫り、その独自性に触れつつ、地元の人々がこの犬種にどれほど誇りを感じているかを紐解きます。
歴史的背景についても詳しく掘り下げ、犬種への理解を深めてもらいます。
土佐犬の始まり
土佐犬の歴史を見ていくと、実はとても古く、14世紀まで遡るそうです。
当時の土佐藩で藩士の指揮を高めるために闘犬が行われていました。そこで初めに用いられた犬が“四国犬”といわれています。
土佐犬は四国犬をベースにマスティフやブルドック、グレート・デーン、ジャーマンなど、強靭で、筋肉質、高い運動能力や勇敢さをもった洋犬種との混血によって、闘犬を目的に生み出されたのが始まりです。
一般的には土佐犬と称されることが多いですが、四国犬の正式名称が「土佐犬」のため闘犬のための土佐犬は「土佐闘犬」と呼び、区別してあります。
しかし日本に土着していた犬を祖先に持ち、日本国内で飼育されてきたにもかかわらず、他の犬種との交配を繰り返してきたことから、「日本犬6種」には含まれていません。
戦うために強く大きく人の手によって作り出されたなんて、すごいような、怖いような…。
元の犬種は古くから日本にいた犬なのに、人の手でつくられたうえ、日本犬とは認められなかったなんて、少し寂しいですね。
土佐犬の魅力
土佐犬は逞しく、忠誠心溢れる性格と風格ある外見が魅力の一因です。
特に横綱の格好をした土佐犬の凛々しさと、大きくてどっしりと構えている落ち着きある姿は逞しさを感じますよね。
もともとは小さく、すっきりとした顔立ちの犬でしたが、戦うために作られた犬のため、顔周りの皮膚はたるんでおり、噛みつかれても致命傷をおいにくくなっています。
また、戦いに強くするため、体高も大きくなりました。
様々な犬種と掛け合わせられたためか、土佐犬の標準体重も30〜100kgと幅が大きいのも特徴で、実に様々な個性の子がいます。
土佐犬と地元の伝統・地元の誇り
土佐闘犬は地元の誇りそのもの。
地元の人々にとってどれほど特別であるかを探ってみたいと思います。
伝統行事と土佐犬がどのように調和しているのかを通して土佐犬と地元の結びつきを感じてもらおうと思います。
闘犬の戦い
土佐犬について知る上で「闘犬」については避けて通れません。
闘犬とは犬同士を戦わせる競技です。
犬同士を戦わせるなんてかわいそうと思った方や、血だらけになってどちらかがやられるまで戦い続けることを想像する人もいるかもしれません。
ですが、日本国内での闘犬は厳格なルールのもと行われており、流血することはほぼありません。
闘犬のルールは吠えると負け、犬の意思で戦うため、戦わなかったら戦意なしで負け、噛みついても血まみれになったりすることはなく、限度を超えると違法となります。
私も小さい頃に家の近くのホームセンターの駐車場に戦う柵が置かれ、犬同士が戦っているのをみたことがあります。
小さかったので怖いという感覚ではなく、
「どうなったら勝つのかな?」
とか、
「お客さん多いな。」
とか…違ったところに関心を持っていました。
その時のルールもすでに厳しかったのか、流血などなかったのかは分かりません。
しかし、戦えと送り出されて戦えるなんてすごいなと思った記憶があります。
現在は動物愛護の観点から、衰退していった闘犬の戦いですが、伝統的な闘犬大会は動物虐待にならないとのことです。ですがもちろん残虐であれば違法となります。
日本で行われている闘犬は厳格なルールのもと行われる「犬の格闘技」ということです。
闘犬の歴史
ぜひ闘犬の歴史にもついて知識を深め、ただ恐ろしいイメージやかわいそうなイメージを持つだけでなく、歴史的背景に何があったのかを知り、彼らの辿ってきた運命に思いを馳せてみてください。
闘犬の始まりはローマ帝国時代まで遡るそうです。
闘犬は戦争の手段としてだけではなく、娯楽の一部として民衆に楽しまれるようにもなりました。
しかし時代は動物愛護へと向かい、オリンピックの招致活動と共に動物愛護運動も加速します。
さらに戦争の真っ只中でもありました。
闘犬界は警察や軍部への乗り出しで、なんとか存続を遂げようとしますが、どこにも求められず、土佐闘犬自体が消滅の危機に晒されました。
そればかりか、生産量が減少した軍用兎の代わりに国家の役に立たない犬は毛皮にしようとまで主張されます。
そんな保護対象となったのは軍用犬や警察犬、狂犬病予防注射済みの猟犬、天然記念物の日本犬のみであり、闘犬界は、真っ先に攻撃対象となりました。
愛玩犬、警察犬、盲導犬など犬界は相互連携へと向かっていきましたが、ここでも闘犬界だけはその輪に加わらず衰退の一途をたどりました。
こうみると、土佐闘犬に負のイメージを持つのは、彼らがとてもかわいそうに感じてしまいます。
人の手によって作り出され、管理する人間側が他の犬界との相互連携を測らなかったために、ますます負のイメージを持たれることになった土佐闘犬、犬は全く悪くないのに、人間の都合で扱われるなんて、ちょっと酷いですね。
また、厳格なルールを設けたり、闘犬界を生き残らせようと必死に頑張ってきた人たちがいるもの事実で、表に出る情報が怖いイメージばかりで不憫になってきます。
現代の土佐犬
土佐犬は飼育も難しいとされ、最近では飼育する人も飼うことができる場所も少なくなっています。
闘犬自体も激減し、ネットの記事にもあまりみることはなくなりました。
ですが、過去の記事で、化粧回しをまとっている、威風堂々とした土佐闘犬の姿や、飼い主の笑顔をみると、硬い絆で結ばれているのだろうなと感じます。
なかなか現代では闘犬を開催することは困難ですが、そういった時代を生き抜いてきた土佐闘犬たちが隠居していく流れも、どこかまた寂しさを感じさせるなと思います。
唯一闘犬を見ることのできた施設、「土佐闘犬センター」は、2014年4月に「とさいぬパーク」と名称変更し運営していましたが、2017年5月に営業終了となっています。
これもまた時代の流れなのかなと思います。
地元のお土産の楽しさと魅力
地元でしか手に入らないお土産は、旅の思い出をより深く刻みますよね。
土佐犬にインスパイアされたオリジナル商品や、地元特有の手仕事品など、お土産の魅力を紹介します。
その土地ならではの工芸品や美味しいものを見つけてみましょう。
土佐犬とコラボ
土佐犬とお土産が織り成すユニークなコラボレーション。
土佐犬とユニークなコラボレーションをしているものを見つけて、旅の一説に加えましょう♪
食事編
ささや食堂:「土佐犬ラーメン」 秘密のケンミンSHOWでも取り上げられた「えび天ぷらラーメン」が人気。
闘犬前の土佐犬に何でもたくさん食べさせたことに由来するそうです。
お土産編
トーサー:シーサーならぬ闘犬のシーサー。
凛々しい(?)土佐犬がシーサーと化しています。
開運闘犬ストラップ:「芽が出る」とかけて、土佐犬の目が飛び出ます!
どのように飛び出るのかは楽しんでみてください(笑)
面白いですよ。
笑ってしまいます。
土佐犬メガストラップ:土佐犬の姿が丸くなってとてもかわいいですよ。
土佐犬の木彫り:お土産にぴったりの可愛さとおしゃれ感。
買い求めやすさも◎
地元に根付く土佐犬の根性
ここからはガラリと変わって違った角度から地元に根付いている話です。
闘犬が愛称の「高知ファイティングドッグス」という球団があります。
他県に比べ経済、人口とも厳しい環境のため、球団の運営も難しかったそうです。
そこで球団が行ったことは「高知に埋もれた魅力の発掘」でした。
一見野球とは全く関連性のないキーワードの農業や観光など地元の魅力と絡めることで、地元に根付いていきました。
地域にとっても、選手にとっても県民に興味を持ってもらい、ファンを増やしていくことは大切なことでした。
そんな素晴らしい球団が高知にあり、闘犬の愛称の如く、根気よく、貫き通した結果だなと感じました。
まとめ
土佐犬の歴史について知ると、土佐犬が怖いだけの存在ではなくなりましたか?
- 忠誠心溢れる性格と風格ある外見
- 現代の闘犬は犬の格闘技
- 闘犬の消滅は時代の流れ
- 土佐犬をモチーフにしたお土産品の数々
- 闘犬が愛称の野球チームは名前の通り粘り強くすばらしい
土佐犬の辿ってきた歴史を知ると、怖いだけではなく、どこか不憫な感じに思えてきますよね。そして人間の都合で困難な状況にも置かれ、人間の行いにも非道さを感じます。
その全てを含めて、地元の誇りですよね。またお土産の多彩な魅力も溢れており、地元ならではの品々が、旅の思い出を特別なものに変えてくれますね。
ぜひ、高知へ旅行の際は土佐犬のことも思い出してみてください!