皆さんは土佐犬の闘犬大会を知っていますか?
知っていると思った方、本当に?
土佐犬の飼い主たちが、犬同士が激しく喧嘩をして傷だらけになる大会に自分の犬を参加させ、最悪どちらかが死ぬまで戦わせる、そんな野蛮な大会だと思っていませんか?
私も闘犬大会に関してはどちらかといえば否定的です。
やはり、
「言葉を持たない動物がもしかしたら戦いたくないのに、人間の娯楽の為戦わせ、傷を負う大会が楽しいなんて
と思っていました。
ですが今回、闘犬大会について調べると賛成派とまでは変われませんが、こういった考えもあり闘犬大会もどのようなものなのかを自分が全く知らなかったんだと痛感しました。
今回は土佐犬の闘犬大会がどういうものなのか、どういった考えを持った人たちがいるのかをまとめてみました。
土佐犬闘犬大会の歴史
土佐犬は本来、四国犬と呼ばれる狩猟犬でした。
土佐藩の士気を高めるため、四国犬同士の闘犬が行われていました。
その後、より強く、大型化するための品種改良がされ、土佐闘犬という犬種へと変化していきました。
実際土佐犬と、大会に出ている土佐闘犬は全く別の犬種です。
現在は元の土佐犬は四国犬と呼ばれ、大会に出るような大型の闘犬が土佐犬と呼ばれています。
海外ではジャパニーズマスティフと呼ばれており、土佐の名が入っているにもかかわらず、日本犬としては認められていません。
一部の国や自治体では危険犬種、特定犬として飼育禁止やルールを設けられています。
闘犬大会のルール
1試合30分で行われますが、デスマッチではなく、吠える、鳴く、逃げるなどするとその時点で負けが決まり、試合終了となります。
犬の意思で戦い、闘争心がなければ数秒から数分で終わる試合もあります。
相手に噛みついたときにも勝負が決まればすぐに引き離され、試合終了となります。
土佐犬の皮膚はたるみがあり、伸びるので噛みついても痛くないようになっているそうです。
万が一けがを負っても大会には獣医が必ずおり、すぐに手当てをするようになっており、命のやり取りがある大会をイメージしているとすれば、大きな間違いです。
闘犬に対しての考え
土佐犬といっても戦いたくなかったり、相手が強そうだと思ったら向かってはいかず逃げるということに少し安堵してしまうほどに闘犬大会や土佐犬というものを深くは理解できていなかったんだと痛感しました。
例えば、わかりやすく人間で例えると、ボクシング、相撲、レスリング、プロレスのようなものが、闘犬大会に例えられます。
プロレスやボクシングなども戦いたい人が集まり、試合をし強い人が勝つ。
そして、それを応援するのも家族やプロレス、ボクシングなどが好きな人たちです。
私はあんなに傷だらけになってまでなぜ戦うのか理解ができないので見ることも応援することもありませんが、批判もしません。
闘犬も、土佐犬は本来闘争心を強く持ち戦うことが本能といった犬です。
そんな闘争心がありながらも戦うことをやめさせ、戦う場所を奪ってしまうことのほうが虐待だと考えられているそうです。
そして、すべての土佐犬が闘犬として育てられるわけではありません。
やはり向き不向きはあります。
確かに人間もすべての人がプロレスラーやボクサーなどになりたいわけでも、なれるわけでもありません。
ただ一つ、決定的に違うことは、私たち人間は言語を持ち、自分の言葉で意思表明ができ、プロレスラーや、ボクサーになりたい!ということができ、周りの人たちもそれを理解することができます。
でも土佐犬の言葉は私たち人間には理解はできません。
戦っている土佐犬が本当はどんなふうに思っているのか、完全に理解することは不可能です。
もしかしたら目の前に自分と同じような大きさで強そうな相手が睨みを利かしており、やらなければやられてしまうから戦っているかもしれません。
もしかしたらかかってこいや!の精神かもしれません。
それが分からないからこそ、闘犬大会は時代をいくつも超えて賛否両論あり、いつまでももしかしたら決着はつかないのかもしれません。
だって本来話し合いに必要な当人たちの意見が分からないのですから。
闘犬大会を初めから否定するのではなく、闘犬大会をきちんとした知識を持ち理解したうえで賛否を決めてみても遅くはないと思います。
そして、もう一つ誤解されることの多いこととして、土佐闘犬を育てている飼い主が暴力をふるい、しつけたり、闘志を引き出しているなどは決してありません!
土佐犬はとても飼い主に従順な犬で、信頼関係が最も大切になります。
信頼していない相手の言うことなど決して聞きません。
信頼し、愛情を感じているからこそしつけることができるのです。
これは他の犬種も、もしくは人間も同じだと思います。
土佐犬の基本的な知識
土佐犬の性格は忍耐力に優れていて闘争本能は受け継がれていますが、大型犬ならではのゆったりとして優しいところもあり、飼い主に対しての忠誠心は日本犬ならで強くあります。
飼い主がしっかりとしたリーダーシップを持ちしつけをすれば、強く優しく、愛にしっかり愛で返してくれる犬です。
まさに頼りになる理想のパートナーです。
大型犬ならではの体格と体重で引く力も強く、1日2回各60分の散歩は欠かせないので女性や、時間を十分に確保できない人には飼うことはできません。
知らない人や犬には警戒心が強く怖がりなところもあり、攻撃的になってしまうこともあります。
そこでしつけをしっかりできていなければ制御することもできなくなります。
土佐犬による痛ましい事故や事件がこれまでに起こっていることもありますが、すべての土佐犬は何も悪くありません。
すべては飼い主のしつけ、管理不足で、無知で無責任な飼い主のせいで事件が起こっているのもまた事実です。
土佐犬にとって飼い主がリーダーである必要がある為、犬に対してしっかりとした威厳のある態度で接することができ、メリハリをつけることができなければ飼えません。
間違っても、動物に赤ちゃん言葉などで話しかけてしまう人は、飼ってはいけません。
だからといって暴力は厳禁です。
どんなことにも当てはまりますが、暴力では何事も解決しませんし、状況を悪化させる一方です。
まとめ
土佐闘犬大会はいつの時代にも賛否両論あります。
海外や日本のいくつかの地域では闘犬が禁止されている場所もあります。
今回の記事では、以下のことをお話ししました。
- 闘犬大会の歴史
- 闘犬大会のルール
- 闘犬への理解
- 土佐闘犬という犬
私は今回調べていく中で、自分がいかに今まで闘犬大会の表面だけを知っていて、イメージだけで、
「可哀そう。あんな野蛮な大会反対!」
と思っていました。
自分の中で、ただただ反対ではなく、どんなところが、どんなふうに反対かが見えてきたような気がします。
闘犬大会を行っている人たちにとっても、よく知りもしない人たちに頭ごなしに反対反対と言われても、どんな話もできません。
今闘犬大会は全面禁止しようという動きがあることも確かです。
そこで、自分が賛成なのか、反対なのかを考えるときにはぜひ、一度理解しようとする気持ちが大切だと思いました。