みなさんはワイマラナーという犬を知っていますか?
ワイマラナーはドイツ原産の大型の狩猟犬です。
瞳の色と被毛の色が特徴的で、犬が苦手な人には“怖い”という印象を持たれてしまうかもしれません。
私は犬が大好きで、大型犬を飼うことに憧れもあります。
でも、ワイマラナーを飼いたいと思ったとき私が気になることは
「散歩が大変そう」
「ほかの人にケガをさせることはないの?」
ということです。
私の知り合いの中にはワイマラナーを飼育している人はいません。
いろいろ教えてもらいたくても聞ける相手がいないのです。
みなさんの周りでもそんな感じではないでしょうか?
2021年度のワイマラナーの飼育数は324頭であまり知られていないマイナーな犬種と言えます。
でも、あまり知られていない犬を飼うとなると分からないことが多くて不安ですよね。
家族として迎える大切な命に対して無責任なことはできません。
そこで、今回はワイマラナーがどんな犬なのか、そして飼うときの注意点についてお伝えしていきます。
ワイマラナーってどんな犬?
ワイマラナーはドイツが原産の大型の狩猟犬です。
シルバーグレーの短毛に琥珀色か青みがかったグレーの瞳が特徴的です。
このグレー色が保護色となり屋外では姿を見失うことがあるため、
『グレー・ゴースト(灰色の幽霊)』と呼ばれることもあります。
体形は筋肉質でやや脚が長く、大きなたれ耳を持っています。
短毛種は尾を三分の一の長さに切る断尾をしますが、最近では断尾が違法の国があることや動物愛護の観点から断尾しないこともあります。
性質は、機敏で活発な犬種です。
知的で訓練しやすく、飼い主に対して忠実で従順、そして愛情深いです。
飼育時に気を付けること
しっかり散歩の時間をとる
ワイマラナーは体を動かすことや頭を使った遊びが大好きです。
毎日1時間程度の散歩を2回、それに加え週末にはドッグランに連れて行って思い切り体を動かせるようにするなど運動に対する欲求を発散させる場を作ってあげることが大切です。
散歩以外にも頭を使うゲームも大好きなので、できるだけ一緒に遊ぶようにしてあげるといいでしょう。
投げたボールを取ってこさせる遊びは狩猟に似ているので、ワイマラナーの大好きな遊びです。
留守番は苦手
ワイマラナーはわかりやすく言うと飼い主さんLove♡な超さみしがりやです。
飼い主さんが大好きなのでずっとついて回ります。
その様子を“ストーカー犬”と呼ぶ人もいるほどです。
「飼い主Loveなんてめっちゃかわいい~♡」
と思ったそこのあなた、甘いです。
人間の赤ちゃんがお母さんの後を追いかけてトイレの前で大泣きしているのとはわけが違います。
ワイマラナーのさみしがりや度合いは筋金入りです。
元々群れで飼育されていたワイマラナーは一人になることが大嫌いです。
一人でどこかに閉じ込められたりすると、ストレスから破壊的な行動を起こすことがあります。
数時間留守番をさせて帰ってきたら、家具はボロボロ、壁には穴が…なんて体験談もあります。
「うちの子は留守番できますよ」
という人も中にはいますが、そういう人はほかにも犬を何匹か飼っています。
仲間がいるからさみしくないのでしょう。
ですが、何匹も飼えないという家庭も多いでしょう。
それでも一匹で留守番をさせるには仔犬のころから訓練していくことが大切です。
ワイマラナーのさみしがりやなところは加齢とともに落ち着いてきますが、完全にはなくなりません。
ワイマラナーは人間の言うことを理解できる賢い犬種ですので、説明してあげることも大切です。
こどもやほかのペットに注意
ワイマラナーは大好きな飼い主や自分のテリトリーに対する守りの意識が強いです。
臆病な性格のワイマラナーは、知らない人や動物に対して社交的ではありません。
体が大きく狩猟本能が強いので、小さなお子さんがいる家庭では不慮の事故に気を付けてください。
私の実家で以前小型犬を飼っていたのですが、お隣の犬(ワイマラナーではないですが同じようなタイプの狩猟犬)に胸のあたりをかまれて大けがをしたことがあります。
幸い我が家の犬は大事には至りませんでしたが、命にかかわってくることもあります。
仔犬のころからほかのペットと一緒に飼育したり、家族以外の人や動物と触れ合わせることで、知らない人や動物とも仲良くできるようです。
仔犬のころから積極的にいろんなことを体験させるといいでしょう。
寒さは苦手
ワイマラナーは寒いのが苦手です。
寒いときは服を着させたり、暖房をつけるなどして快適に過ごせるようにしてあげてください。
健康面について
ここからはワイマラナーがかかりやすい病気についてお伝えします。
胃捻転
胸部が深いワイマラナーは胃捻転になりやすいです。
胃捻転とは胃が捻じれて、そこにガスがたまり膨張し周囲の臓器を圧迫して体内の血流が悪くなってしまう病気です。
適切に対処しなければ命にかかわります。
吐きそうで吐かない、えずく、よだれなどの症状が現れます。
いつもと違う様子が見られたときは病院でみてもらうことが重要です。
治療は、手術で胃の捻じれを戻し、再発防止のために胃と腹壁を固定するのが一般的です。
恐ろしい胃捻転ですが予防方法もあります。
- 一度に多量の食事を与えず小分けにする。
- 食後すぐの運動は控え、静かに過ごす。
少しの注意で命を守ることができるので、飼われるときはぜひ気を付けてあげてください。
股関節形成不全
股関節が正常にかみ合わず歩行に影響が出る病気です。
一般的に成長期の大型犬に見られます。
座り方や歩き方がいつもと違う、散歩を嫌がるなどの症状があれば獣医師に相談してください。
特に有効とされている予防法はありませんが、股関節へ負担をかけすぎない方がいいでしょう。
体重の増えすぎに気を付ける、また成長段階での激しすぎる運動も股関節に負担がかかるので体重管理もしっかり行ってください。
まとめ
今回はワイマラナーを飼育するときに気を付けるべきことをお伝えしました。
- ワイマラナーは毛と瞳の色が特徴的な大型の狩猟犬。
- 留守番は苦手なので仔犬のころから根気強く説明し訓練する。
- 仔犬のころからいろんな人や動物に慣れさせ、仲良くできるようにしておく。
- 胃捻転にならないよう、日ごろから予防を心掛ける。
- 成長期に股関節に負担をかける激しすぎる運動は避ける。
記事を読んだみなさんのなかには
「ワイマラナーってすごく手がかかって大変!」
「我が家では絶対飼えない」
と思った方もいることでしょう。
確かにワイマラナーは飼いやすい犬とは言えないかもしれません。
でも、長年ワイマラナーを飼っている飼い主さんの中には
「もうワイマラナー以外は飼えない!」
というくらいワイマラナーの魅力にどっぷりハマった方もたくさんいらっしゃいます。
多くの飼い主さんは
「大変なのは最初の2年くらい、それ以降はすごく飼いやすくなる」
と言っています。
飼い主さんがかけた愛情以上のものを返してくれるのがワイマラナーという犬なんだそうです。
一緒に大変な時を乗り越えてこその絆なんですね。
すごくうらやましくなってしまいます。
まぁ、賃貸マンションに住んでいる我が家ではワイマラナーは飼えないですけどね。
動物好きの我が家の次男が将来あれを飼う、これも飼うといろいろ妄想を膨らませているので、ワイマラナーも候補の一つとして推薦しておきます。
今回の記事を書きながらワイマラナーのいいところをたくさん書きたいと思いました。
でも、飼育の大変さを伝えるべきと思いこのような記事にしました。
途中で飼えなくなってしまっては、犬も人間も幸せになれないですよね。
賢いワイマラナーは幼いころからしっかりとしつければとても飼いやすい犬になります。
しつけに自信がない人はプロに相談しながらしつけを行っていくといいですね。
大きくて力も強いので怖いイメージを持たれがちなワイマラナーですが、きちんとしつけることで安全に飼うことができます。
ワイマラナーを飼いたいと思っている方は、ぜひその大変さを知ったうえで覚悟を持って迎えて、最後までしっかり飼ってほしいと思います。
しっかりとしつけて周りに人に怖がられることなく親しまれる犬になるといいですね。